ミステリオとは何者だったのか?正体・目的など考察|スパイダーマン
謎に包まれたミステリオの正体と、その真の目的について考察します。
ミステリオの概要(MCU)
突如出現した謎の新ヒーロー。
スノードームのようなヘルメットと、目玉とマントをあしらったイリュージョニスト風のコスチュームが特徴。
空を華麗に飛び回ったり両手から緑色の光線を出して攻撃することができる。
ヴェネツィアで水の怪物ハイドロマン相手に苦戦するスパイダーマン/ピーター・パーカーの前に現れ、彼に加勢して怪物を倒した。
ミステリオはこの時メディアから付けられた名前だが、以後本人も好んで使っている。
その中身は異世界人、クエンティン・ベック。
自分のいた世界を、四大元素である火・風・土・水を司る怪物たち「エレメンタルズ」によって滅ぼされ、彼らを追ってこの世界を救いにやってきた。
その後も残りのエレメンタルズ討伐のためスパイダーマンと組み、良き師としてピーターを支える。
©Spider-man:Far From Home/ Columbia Pictures/Marvel Studios/Pascal Pictures
※ネタバレ注意
ミステリオの正体
真の正体は、異世界人ではなくこの世界の人間であり、トニー・スタークの元部下。
自身が開発した、まるで現実のような映像を再生できる立体プロジェクター技術をトニーにセラピーに利用され、「B.A.R.F.(ゲロ)」と名付けられた上、危険人物と判断されて解雇される。
その後、同じくトニーの陰で辛酸をなめてきた仲間たちを集め、自身の技術に加えてドローンや電磁パルスを用い、架空のモンスター「エレメンタルズ」と架空のヒーロー「ミステリオ」の戦いをでっちあげた。
つまり、エレメンタルズとミステリオを取り巻く一連の事件は全てベックによる自作自演である(被害者は出ている)。
スパイダーマン/ピーター・パーカーに近づいたのは、トニーが遺したサングラスに搭載された人工知能「E.D.I.T.H(イーディス)」を奪うためであり、実際にピーターの心理を巧みに操ってそれに成功した。
スパイダーマンが真実に気づいた後も幻影を用いて彼を圧倒するが、最終的には敗れた。
結局何がしたかったの?心理分析してみた
彼の最終的な目的はなんだったのでしょうか。
トニーが判断した通り、彼は間違いなく精神を病んでおり、その行動原理を表面から紐解くことは難しいです。
トニーへの復讐が目的にしてはやり方が回りくどすぎるし、世界の支配が目的にしてはそこまで俗な願望を持っているタイプには見えません。
自身も被弾する可能性を受け入れてまでスパイダーマンを迎撃しようとしたことからも、彼の目的が私欲の域を超えていることは明らかです。
恐らく、彼の目的はヒーローという概念への挑戦だったのではないでしょうか。
原作のミステリオは、ヒーローに憧れ、本作のような自作自演を仕掛けたことがあります。
しかし今回のミステリオは、逆に(もしくは憧れるのと同時に)ヒーローというものを見下し、チャカしているのではないでしょうか。
単に悪と戦う者としてのヒーローではなく、自己犠牲的で完全無欠に近い、文字通り英雄としての「ヒーロー」を。
大衆がイメージする「ヒーロー」など、守る者・守られる者双方の信じたい気持ちが作りだした虚構にすぎない。
概念が元から虚構なのだから、外面も虚構で覆ってしまうことさえできれば、いともたやすく生み出すことができる。
人々が信じる「ヒーロー」(シンボル)など、嘘で作りあげることができる。
それを証明することが彼の真の目的だったように思えてなりません。
また、このような信念が根底にあるベックは、彼にとって虚構の概念でしかない「ヒーロー」であろうとするがために悩み、苦しむピーターの姿を見て馬鹿らしいと思ったのではないでしょうか。
ピーターに近づいたのは「E.D.I.T.H(イーディス)」を奪うためですが、ベックはピーターをヒーローから解放してやろうとしたということも仄めかしていました。
そのことについては本音だったと考えてよさそうです。
ミステリオは生きている?
スパイダーマンとの死闘の末に命を落としたミステリオ。
ピーターがベックの亡骸が本物であるかどうか尋ねると、「E.D.I.T.H(イーディス)」は「幻影は全て消えました」とだけ答えました。
なかなか含みのある回答です。
ひょっとしたらミステリオはまだ生きていて、『シニスター・シックス』など今後の作品にも登場するのかもしれません。
また、彼がもし「生命」という概念すら虚構であり、嘘で作りあげることができるものだと考えていたとしたら、例え本当に息絶えていたとしても、記録映像や部下たちに残した指示によって虚構の自分を再生し、死後も精神的にスパイダーマンを苦しめ続けるかもしれません。
ただ、『ファー・フロム・ホーム』のエンドクレジットで、スパイダーマンに濡れ衣を着せ、彼の正体を世間に公表することに成功した時点で、ミステリオの「死後の活躍」と勝利はすでに達成されているともいえます。
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