キャプテン・アメリカの強さ考察|できる事とできた理由
僕は「強さ」というものを勝敗を決定する絶対的な数値として語ることがあまり好きではありません。
あらゆる戦いの結果は、状況や運、相性、意志の力などによって揺らいで当たり前だと考えています。
ただ、勝率に影響するものとしての「強さ」はもちろん存在すると思います。
今回は、弱いと言われがちなキャプテン・アメリカ(MCU版)の「強さ」を紹介し、また、彼を取り巻く「なんでコイツがこんなことできちゃうわけ?」という疑問に自分なりの解釈で答えを導き出してみようと思います。
©Captain America: The Winter Soldier/Marvel Studios
キャプテン・アメリカの基本ステータス(MCU)
・超人血清を投与されたことによる、常人が持ち得る最高水準の身体能力
・あらゆる衝撃を吸収するヴィヴラニウム合金の盾
思っているよりも強い
『アベンジャーズ』では、ロキに太刀打ちできなかったり、敵の一般兵たちに手こずったりと、他のヒーローたちと比べて弱い印象が否めなかったキャプテン・アメリカ。
しかし、『ウィンター・ソルジャー』を皮切りに、戦闘機を身一つで撃墜したり、ウルトロンと渡り合ったり、スパイダーマンを圧倒したり(しかもトニーによるとキャップは手加減していた)と、化け物染みた強さを見せるようになっていきます。
MCUを現在まで追っている方には常識かもしれませんが、彼は決して弱くないのです。
どうしてそんなに強い?
では、身体的にはあくまで常人の範囲に留まっているはずのキャプテン・アメリカが、何故こんなにも非常識な強さを発揮できるのでしょうか。
理由の一つ目は、もちろん最強の盾の存在です。
あらゆる衝撃を吸収するこの盾は、防御においてはほぼ無敵であり、攻撃においても、キャップの腕力と驚異的な投擲技術によって強力な武器となります。
また、この盾はエネルギー攻撃を反射する特性があるので、戦う相手がいくら格上でも、タイミングと工夫次第で倒すことができる決め手をキャップは常備しているといえます。
二つ目の理由は、身体能力以外の能力です。
戦略、戦闘技術、経験、精神力、これらの単純なステータスに囚われない強みを駆使することで、キャップはオーバーテクノロジーや特殊能力の使い手と渡り合ったり、彼らに一矢報いたりすることができます。
例えば、『シビル・ウォー』では怪力と俊敏さを持つスパイダーマンを、彼の重心を的確に突くことでノックアウトしていますし、『インフィテニィ・ウォー』では、最後まであきらめない鉄の意志で、十数秒ですが、ガントレットを装備したサノスの拳を押し留めています。
「常人の最高水準」思っているよりヤバい説
しかし、上記の理由を加味しても、やはり「常人の最高水準」の身体にしてはキャップは強すぎる気がします。
また、総合力ではなく単純な身体能力だけで見ても、(盾をクッションにしたとはいえ)超高層階から落下しても無事だったり、ヘリコプターを腕で引き留めたりするなど、十分に驚異的です。
キャップは本当に(特殊能力を持たない地球人という意味での)「常人」なのか、疑問が浮かびます。
そこで僕が推したいのが、そもそも「常人の最高水準」というものが、我々が思っているよりも遥かな高みにあるという説です。
多くのフィクションの住人がそうであるように、MCUの人間も、実際にはありえないようなパフォーマンスをある程度可能にする潜在能力を秘めており、キャップはそれを引き出すことができるからこそ、驚異的な身体能力を誇るのではないでしょうか。
さらに、魔法が存在するMCUにおいては、「気合い」や「思いの力」といった漫画的なエネルギーが、時に物理法則すらも超越した力を与えるという現象も起こり得る気がします。
そう考えると、彼の荒業が数々の局面で通用してきたことにも割と納得がいきます。
ワンダを助けられた理由
キャプテン・アメリカの活躍シーンはたくさんありますが、特にかっこいいのが、『インフィニティ・ウォー』序盤で、ブラック・オーダーからスカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフを助けるシーンです。
しかし、「めちゃくちゃ強いワンダを、彼女より弱いキャップが助けるなんて違和感がある」という意見をたまに見かけます。
正直、個人的には全然違和感を覚えなかったので、ここで意見表明しておこうと思います。
ワンダは扱うエネルギーこそ膨大ですが、そのエネルギーを使って標的に狙いを定めたり、敵の攻撃を防ぐためには、手を使ったアクションが必須です。
つまり、集中力や動体視力のような揺らぎやすい要素によって、対処できる物事が大きく左右されるわけです。
ちょっとした隙を突かれたり、さばききれない敵を相手にするだけで、生身が危険です。
しかも、この時彼女は深手を負ったヴィジョンを守りながら2人を相手にしていました。
そんな彼女を、キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ファルコンが、歴戦の猛者らしいスマートなアクションで救い出すということは普通にありえると思います。
ムジョルニアについて
ソーの持つムジョルニアは、高潔な者だけが持ち上げることができると言われている魔法のハンマーです。
キャップは『エンドゲーム』の終盤でついにムジョルニアを持ち上げました。
しかし、その瞬間まで、不遜で傍若無人な面があるソーの高潔さがキャップのそれを上回っていたとはとても思えません。
恐らく、ムジョルニアが求める資格は、ソーとその他とでは事情が異なるのではないでしょうか。
ソーの場合、アスガルドの正当な後継者であることと高潔さの双方で資格を得ることができ、キャップの場合、ソーを超える高潔さのみで資格を得ることができた、と考えるとスッキリするような気がします。
もちろん、『エイジ・オブ・ウルトロン』の時点ですでに持ち上げることができたが、ソーに気を使って隠していたという可能性もありますが。
余談でした。
真の強さは信念と人望とリーダー・シップ
ここまでキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースの個人の強さを語ってきましたが、彼の最大の強さは団結の強さだと思います。
他人を救うために一瞬の迷いもなく手榴弾に覆いかぶさる信念、それによって得た人望、皆を鼓舞して士気を高め、的確に指示を出すリーダー・シップ。
それらがキャップの最大の強さと魅力であり、もしも個人としてはもっと弱かったとしても、その点は変わらなかったと思います。