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バットマン原作『エンペラーペンギン』感想①

いつもゲリラ的な記事ばかり書いてすいません。

リピーターの方々がいることを意識して、今後はこのブログに一番求められているであろう、アメコミ関連の記事を増やし、定期的に投稿していこうと思います。

しかしながら、僕は自分で所持しているアメコミは50冊程度ですし、英語もまだ勉強中ですので、ガチ勢の方々ほど汎用的で完全な知識を有している自信がありません。

なので、自分の守備範囲で面白いと思うものを隙間語っていこうと思います。

(まあ、今後実写化されそうなキャラクターの解説とか予想もできるだけやろうとは考えていますけど。)

手始めに今回から、バットマンの原作Batman Detective Comics vol.3 Emperor Penguin』の感想を月1か月2くらいのペースで連載します。

バットマンの二番目の宿敵で、僕が大好きなヴィランであるペンギン/オズワルド・チェスターフィールド・コブルポットがメインとなるエピソードで、時系列的には、邦訳もされているジョーカーメインの『喪われた絆』シリーズの直前のようです。

一度目を通した作品ですが、感想を述べるにあたってもう一度翻訳して読み直しているので、いつもの「見直し感想」と同じく、新鮮な気持ちと驚きを以て書いていきます。

 

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©Batman Detective Comics/DC Comics

 

あらすじ

夜のゴッサム・シティ

バットマンブルース・ウェインは犯罪者たちと戦いながら、通信でアルフレッドに小言を言われていた。

彼の母・マーサ・ウェインの名を冠することになる児童基金のオープニングセレモニーへ、遅れずに出席しなければならないからだ。

街の南で密輸業者たちを打倒した直後、今度は北で金庫破りが発生したことを知ったバットマンは、街の両端で見計らったように事件が起こる今夜の状況に何者かの陰謀を感じながら現場へと急ぐ。

 

※ネタバレ注意

 

感想

ごろつきの犯罪者たちとは別に、バットマンアサルトライフルで狙う暗殺者が出てきますが、バットマンを見かけてちょっと狙ってみたくなっただけらしく、実際には撃ちませんでした。

このシーン独り言多すぎて笑う。

「落ち着け俺……たった二軒先だ……なんてな、バットマンは防弾仕様だぜ? 狙わねえよ」みたいなことを一人でブツブツ言ってるんですよ、大丈夫かこの人

どうでもいいけど、顎のあたりを狙えば防弾仕様でもワンチャンある気もする。

で、暗殺者の本当の標的はというと、バットマンではなくブルース・ウェイン

雇い主はゴッサムの暗黒街の帝王・ペンギン

ペンギンは、自身も出席する児童基金のオープニングセレモニーにブルース・ウェインがいると都合が悪いらしく、(恐らく香港系の)暗殺集団「ゴースト・ドラゴンズ」に彼の襲撃を依頼したのでした。

当然、市民が襲われるとあらばバットマンが邪魔しに来るに決まっているので、小悪党たちに情報を流して街の両端で強盗などを起こすよう誘導し、さらに警報器を遠隔操作して、少しずつずらしたタイミングで複数の事件の発生を知らせることで、バットマンを手一杯にさせたようです。

て、手が込んでいる……さすがのインテリジェンス。

あと広東語しゃべれたんですね。

しかし、読者はご存じの通りバットマンこそがブルース・ウェインその人なので、ゴースト・ドラゴンズはいつまでたっても標的を見つけられないという、わりと面白いすれ違いが発生

確認がとれなくてもウェインが現れなければそれでいいやということなのか、ある計画を実行に移すペンギン。

それはなんと、ブルースが寄付するよりも先に、倍の額の寄付金を無理やり主催者に押し付け、マーサ・ウェインの名のもとに発足するはずだった基金コブルポット基金として乗っ取るというものでした(便宜上「基金」と訳しましたが直訳だと「翼」です)。

裏社会で王国を築き上げ、自分を恐れ、敬い、付き従う者たちを手に入れても、ほとんどの人間からは「捕まるべきなのにすり抜けるクズ」として疎まれ、自分を愛する者はいないと感じているペンギンは、その状況を変えるために今回の計画を立ち上げたようです。

つまり目的は愛、尊敬、名誉、承認。

ペンギンらしさ爆発って感じです。

計画が成功し、人々から喝采を受けた時のやらしい笑顔がたまらない(笑)

やんややんやと褒められまくって嬉しかったでしょうねえ。

しかしやり口がヤクザなだけで、けっこう普通に善行と言えなくもないですよねこれ。

あのブルースが寄付する額の倍ってどんだけだよって感じだし。

絶対汚い金ですけど。

あと、どうして普通に寄付しなかったのかというのもちょっとだけ引っかかりましたが、これは単にウェイン家を出し抜く形になることがベターだったからかな?

「母」という存在を重要視するペンギンは、ムカつくボンボンであるブルースの母親の名前を特に汚したかったのかもしれません。

さて、無事ペンギンの計画が成就し、かわいそうなくらい不要になったゴースト・ドラゴンズのみなさんですが、ペンギンが暗殺指令を取り下げようとした直後、残りの事件をナイトウィングに任せてセレモニーに到着していたブルースを急襲します。

タイミング悪ッッ!!!

どうなるブルース! というところで次回です。

 

評価:☆☆☆☆(5点満点)