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『マスター・オブ・ゼロ』はこんな時に見るといいよ!味わい方を解説

今回は、Netflixで配信されているドラマ『マスター・オブ・ゼロ』の魅力や見所について解説し、どういう時に見るのがオススメか紹介します。

この作品に興味がある方など、味わい方の参考としてお役立てください。

 

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©Alan Yang Pictures/Oh Brudder Productions/Fremulon/3 Arts Entertainment/Universal Television/Netflix

 

概要

Netflixオリジナルのコメディドラマ。

現在シーズン2までが配信中。

エミー賞脚本賞コメディ部門)受賞作品。

 

あらすじ

ニューヨークに住むインド系アメリカ人で、ちょっとだけ売れてる俳優のデフ・シャー(アジズ・アンサリ)が、日常で直面する様々な問題について考え、社会や人生について見つめ直す様子を描く。

 

1.自分をマイノリティだと感じる時

本作の主人公であるデフ・シャーは、白人でも黒人でもなく、純粋なインド育ちのインド人でもないインド系アメリカ人。

昨今の映画やドラマの中でもあまりクローズアップされない枠組みに属する、マイノリティ中のマイノリティです。

出自・国籍だけでなく様々な面において、自分を「人と違う」マイノリティ(少数派)だと感じ、孤独を抱いている方は、彼の境遇に共感することで少し勇気をもらえると思います。

また、デフを取り巻く友人たちもアジア系などマイノリティが多いです。

彼らの目線を借りることによって、華のニューヨークを手が届かない場所ではなく、マイノリティでもホームと感じていい場所だと確認でき、お客様感覚ではなく日常感覚でストーリーに参加できるのも本作の特徴です。

 

2.自分を誤解されていると感じる時

出自や国籍という枠組みにはステレオタイプがつきものです。

日本人でいったら、みんな空手ができるだとか、すぐ切腹するだとか。

もちろん枠組みに対する認識の中には実際の傾向もありますが、ある特徴が、ある枠組みの全ての人に当てはまるだろうという姿勢は悲しい誤解を生みます。

インド系であるデフも、「インド人らしさ」を基準にした誤解を持たれることが多く、それを気にするシーンが散見されます。

しかし、デフは深刻に思い詰めたり過激な活動に走ることはなく、あくまで淡々と自分らしさを貫いています。

同じように「周りからはこう思われてるけど、自分ってそうじゃないのになあ」という悩みを抱える方は、偏見にさらされながらも毅然と自分らしさを保とうとする彼の生き方にヒントを見出せると思います。

 

3.品のある笑いを求めている時

本作は観客の拍手が聞こえるタイプのシットコムではなく、現代的なシニカルでブラックなコメディでもありません。

静かな時間の中にクスッと笑ってしまうようなネタが仕込まれた、品性の塊みたいなコメディです。

正直、大爆笑するシーンみたいなものは、個人的には今のところありません。

しかしその平坦さが逆に新鮮で、かつ、社会派作品でもあり大人の悩みを扱う作品でもあるという側面とうまく調和しています。

ちょっと高級なレストランで、ていねいに盛りつけられた料理を食べるように、品のある笑いを味わいたいという方にオススメです。

 

4.社会や人生を見つめ直したい時

本作では、上で挙げたようなマイノリティの問題やステレオタイプの問題以外にも、様々な社会問題が取り上げられており、それが各話のテーマとなっています。

議題に上がるのは、育児、恋愛、親子の関係、差別、信仰などなど多種多様。

これらにまつわる普遍的な問題を、実際的に、かつ気負わずに力を抜いて見つめ直したいという方も視聴してみるといいと思います。

また、いい大人であるデフが、社会だけでなく自分の人生を見つめ直す物語でもあるので、人生の岐路に立っている方、自分を変えたいと思っている方の参考にもなると思います。

 

5.ちょこっと元気が欲しい時

本作は1話につき30分程度の短編コメディなので、気楽に鑑賞することができます。

話も複雑ではないので、作業や食事をしながら、流し見するのも全然アリだと思います。

日常に疲れ、手軽に元気が欲しい時に、視聴してみてはいかがでしょうか。