それでも『最後のジェダイ』は駄作だと思う|スター・ウォーズEPⅧ感想・評論
©Star Wars: The Last Jedi/Lucasfilm Ltd.
はじめに…『最後のジェダイ』が嫌いな人が嫌いな人へ
努力はしてみましたが、やっぱり僕は『最後のジェダイ』を好きになることができません。
だからといって、好きな人を否定するつもりはありませんし、本作の監督を中傷するつもりもありません。
この監督が関わった作品で大好きなものもあるので、彼に極端に力量がないと断じることもしません。
しかし、それでも『最後のジェダイ』は嫌いです。
時折、本作を嫌うことを否定する勢力を見かけます。
もちろん、本作を嫌うことを嫌うことは勝手ですが、本作を嫌うことを悪であるかのように糾弾する人がいるのです。
恐らく、あまりにも本作を嫌う人が多すぎて、その現状を、「新しいものを受け入れられない」だとか「みんなが嫌っているから嫌っている」などといったバイアスによるものか、もしくは欠点のあら探しによるものだと考えているのだと思います。
僕はその考えは間違っていると思います。
バイアスが働かなくても、あら探しをしなくても、多くの人に嫌われる「場合」というものはありえます。
純粋に、それがこの作品がもたらした結果なのだと思います。
また、監督のライアン・ジョンソン氏は、もともとの構想や伏線を全て無視し、さらにマーク・ハミル氏の苦言を聞き入れずに、キャラクターやシリーズ全体の見方を揺るがす作品を生み出しました。
そういう、ある種強行に近いプロセスを経ておきながら、中傷ではない単なる批判にも聞く耳を持たない態度をとっているのは、筋が通らないと感じます。
そんなわけで、以降は極力ロジカルにまとめた『最後のジェダイ』の批判です。
許容できる方のみお付き合いください。
※ネタバレ注意
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『シロクマ』
©Black Mirror/Zeppotron/House of Tomorrow/Netflix
あらすじ
ある日、自宅と思わしき場所で目が覚めたヴィクトリアは、記憶を全て失っていた。
思い浮かぶのは、謎の少女などの断片的なイメージのみ。
家を出ると、周りの人々はスマートフォンなどを手にして自分のことを撮影してくるばかりで、誰も状況を説明してくれない。
そのうち、自分を狙うハンターたちが現れ、ヴィクトリアは状況がわからぬまま逃げ惑う。
その後、とある女性に救われたヴィクトリアは、この現象が「シグナル」による催眠状態で人間の本性がさらけ出されたことによるものだと聞く。
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