ブラック・ミラー『シロクマ』感想|言いたいことはわかるが普通すぎ
『シロクマ』
©Black Mirror/Zeppotron/House of Tomorrow/Netflix
あらすじ
ある日、自宅と思わしき場所で目が覚めたヴィクトリアは、記憶を全て失っていた。
思い浮かぶのは、謎の少女などの断片的なイメージのみ。
家を出ると、周りの人々はスマートフォンなどを手にして自分のことを撮影してくるばかりで、誰も状況を説明してくれない。
そのうち、自分を狙うハンターたちが現れ、ヴィクトリアは状況がわからぬまま逃げ惑う。
その後、とある女性に救われたヴィクトリアは、この現象が「シグナル」による催眠状態で人間の本性がさらけ出されたことによるものだと聞く。
感想
記憶が消えてる?
実は主人公が凶悪犯罪者で、壮大なドッキリで罰を受けてるとかそんな感じかな?
いや普通すぎるか。
とか思ってたら本当にそのまんまでした。
ヴィクトリアは、誘拐した少女を婚約者からかばわずに嬉々として撮影していたことにより投獄された受刑者で、「ホワイトベア(シロクマ)ジャスティスパーク」とかいう司法機関とアミューズメントをごっちゃにしたような組織により、何度も記憶を消され、同じ目に遭わされ続けていたのでした。
周りの人々は、苦しむ彼女を撮影することを楽しむ醜悪なお客さんでした。
ええーっ、こんなん今さらやる!?
さすがに既視感が強すぎる……。
伝えたいテーマもわかりますけど、そっちも大してオリジナリティがあるわけでもないし。
なかなか歯ごたえのない一作でした。
今のところこのシリーズは、最初の『国歌』だけ別格の完成度で、他はどこか惜しい仕上がりな気がします。
『世にも奇妙な物語』の方が面白い。
ひょっとしてホラーだけでなく、こういうショートショート系も今、日本の作品が海外に勝機を見出せるジャンルなのかもと勝手に思った次第なのでした。
いや、でも『世にも』とかも最近は微妙だしどっちもどっちか……。
あ、この感想シリーズは続けますよー。
評価:☆☆(5点満点)