隙間語り▼映画・海外ドラマ・アニメ

映画・海外ドラマ・アニメの感想・考察etc.

ブラック・ミラー『人生の軌跡のすべて』感想

『人生の軌跡のすべて』

f:id:LoveCDA:20190610092532p:plain

©Black Mirror/Zeppotron/House of Tomorrow/Netflix

 

あらすじ

神経にチップを埋め込むことで、記憶の半永久的な保存と再生が可能となった近未来。

人々はその技術に依存し、社会も人間関係もそれに即したものとなっていた。

落ち目の弁護士リアム・フォックスウェルは、ホームパーティで妻のフィオナの友人たちと知り合うが、その一人、ジョナスのフィオナへの態度に違和感を覚える。

リアムはフィオナに詰め寄り、過去にジョナスと関係があったことを白状させるが、その後も彼の追及は止まらない。

何度も記憶を精査し、怒りと疑心を膨らませていくリアムは、しだいに情緒不安定となっていき、ついにジョナスの家に踏み込み、フィオナの記憶を全て削除するよう脅す。

 

感想

前回以上に「すでにありそうなネタ」ですが、男女関係に的を絞っているのが個性的といえば個性的。

しかし、逆にいえばSFというより恋愛モノの空気が全編に流れているので、退屈な人にはとことん退屈だろうなと思いました。

オチは、フィオナとジョナスの関係が自分との結婚後まで続いており、しかも避妊をしていなかったことを知ったリアムは、恐らくフィオナと別れ、彼女との思い出にひとしきり酔った後、チップを外すというものです。

チップがもたらした執着と悲劇を通して、知らない幸せ、忘れられる幸せを学ぶお話でした。

ただ、今回のできごとはチップの存在だけでなく、リアムの観察力の高さありきな気もするけど……。

リアム、最初は過去の関係にこだわるいけ好かない男でしたが、真実が発覚してからは本当にかわいそうでした。

逆にフィオナは、最初は不憫に思いましたが、避妊なしの浮気を、その後に子供が産まれているというのに黙っていたことがわかって、ヤベエなこいつと思いました。

なんで途中まであんなに被害者ぶれたんだ……。

しかし、リアムが過去の記憶に延々と酔い続けるみたいなオチにもできただろうに、チップを外すという選択をしたからには、今作はハッピーエンドといえると思います

記憶チップのネタは、監視社会だとか、現実と記憶の混同だとか、色々なテーマに応用が効きそうなので、そのうち派生作品が作られるかもしれませんね。

 

評価:☆☆☆(5点満点)

 

次回はこちら↓

lovecda.hatenablog.com