『アイアン・フィスト』感想・評価|ディフェダーズファンなら見るべし
今回は、4人目にして最後のディフェンダー、『アイアン・フィスト』の感想をお届けします。
他のシリーズと比べて散々な評価を受けている本作ですが、言うほど悪くなかったと思うので、無理やり褒めていこうと思います。
©Iron Fist/Marvel Television/ABC Studios/Netflix
概要
『アイアン・フィスト』は同名のコミックスなどを原作としたドラマで、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)に含まれます。
アイアン・フィスト/ダニー・ランドは、異次元に存在する秘境クン・ルンで拳法を極めし男です。
不死の龍ショウ・ラウを倒し、「アイアン・フィスト」の称号を手にしたことで、絶大なパワーの気をその拳に宿すことができます。
※この記事は2017年6月28日に旧ブログに投稿したエントリーの再掲です。
感想と見所
本作では、強力な力を持つアイアン・フィスト/ダニー・ランドが、なかなかわかりやすい活躍を見せません。
「気」は集中しないと使えないし、倒すべき敵は流動的で誰なのかはっきりしないし、味方にも信じてもらえない。
一言でいうと、「ヒーローがなかなかヒーローさせてもらえない」。
ヒーロー本人、ヒーローと対峙する者、ヒーローに守られる者というシンプルな構造が、なかなかそろわない。
それだけならリアリティのある物語として楽しめそうなものですが、そういうコンセプトの土台をあまり活かしきれていないように思います。
『デアデビル』のように大人向けの空気と王道を上手く融合させているわけでも、『ジェシカ・ジョーンズ』ほど「わかりやすくないからこその面白さ」に極振りしているわけでもない。
ここぞという時のアクションも、設定上はともかく、描写上は圧倒的にデアデビルの方が格上。
結果的に、ただ煮え切らないしょっぱい作品という印象が残ります。
また、アジアをモチーフにしているのにも関わらず、ダニーから仏教や禅に通じているからこその落ち着きや思慮深さというものが見受けられず、むしろ文化を誤解しているっぽいのもちょっと腑に落ちません。
しかし、駄作ってほどつまらない作品ではないと思います。
「最強の称号を手に入れたはずの男が、俗世という最後の修行場で揉まれる話」「『企業』がテーマの話」として意識的に読み取ってあげると、活かしきれていないとはいえ、コンセプトの先に価値が見えてきます。
ディフェンダーズシリーズを追っている方なら、視聴して損ということはないと思います。
評価:☆☆☆ (5点満点、シーズン1)