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『X-ファイル2018』(シーズン11)前半感想|今回超面白いぞ!

世界で一番有名なテレビドラマかもしれない『X-ファイル』の最新シリーズ、遅ればせながら鑑賞中です。

前シーズンの『X-ファイル2016』(シーズン10)は、正直トカゲ男の回以外微妙に感じましたが、今シーズンは今のところ全部面白いです

各話それぞれ脚本の練り汲み具合が素晴らしいし、全体を通して、中年に達したモルダーとスカリーの落ち着いた関係性が心地よく、非常に見やすいシーズンとなっています。

 

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©Ten Thirteen Productions/20th Century Fox Television 

 

※ネタバレ注意

 

第1話『闘争Part3』

あらすじ

意識不明の状態から目覚めたスカリーは、モルダーに彼自身と人類に危険が迫っていること、そしてシガレット・スモーキング・マンが生きていることを告げる。

彼の計画を阻止するために奔走するモルダーは、スモーキング・マン率いるシンジゲートとは別の理想を掲げるもう一つの組織と接触する。

 

感想

前シーズンからのクリフハンガー

最初は「あれ、未知の病原体は?」「あのUFOは?」と面喰いましたが、どうやら前回起こったできごとは全て、意識不明に陥ったスカリーの予知夢だったようです。

予知夢が現実になることを防ぐために動くモルダーでしたが、ほとんど成果はなく、いつものミソロジーらしくこの問題はいったん保留となります。

何年も前の、スカリーとスモーキング・マンが交流する特殊なエピソードが伏線として関わってきたり、スキナーが再び敵か味方かわからないポジションに収まったり、スモーキング・マンとは似て非なる目的を持つ別の秘密組織が登場したりと、当初イベント的に復活したかと思われたシリーズのわりには、根幹を揺るがす展開や続けていく気満々の展開が多くて作品のバイタリティみたいなものをヒシヒシと感じます。

スモーキング・マンの「自分がしてきたことは正しかったと息子に認めて欲しい」というもう一つの目的の吐露が、彼らしい哀愁を漂わせていてよかったです。

あと、モルダーと追手のアクション映画並のカーチェイスがX-ファイルらしくなくて新鮮でした。

 

評価:☆☆☆(5点満点)

 

第2話『死後』

あらすじ

二人で過ごしていたモルダーとスカリーの元へ、不可解な通信が入る。

それはなんと、死んだはずのローン・ガンメンの一人・ラングリーからだった。

「俺は死んだのか?」という言葉と共に、警告めいたメッセージを告げるラングリー。

直後、二人は謎の部隊から襲撃を受ける。

 

感想

タイトルでオカルト系かなと思いきや、SF系。

ラングリーは死後、マトリックスのような仮想空間で意識が再構築されたらしいです。

しかしその技術は決して好ましいものではなく、前回登場した組織が人類移転計画のために開発したキナ臭いもの。

仮想空間をよく思わず、破壊してくれと頼むラングリーの頼みをモルダーとスカリーは聞き入れるのでした。

何故ラングリーだけ再登場が叶ったのかはよくわかりませんが、彼の復活にはなつかしさと切なさがこみ上げてきました。

久々にディープ・スロートの名が出たりもして、昔からの大ファンの方ならより楽しめそうな内容です。

話自体もスリルとサスペンスが詰まった良作でした。

 

評価:☆☆☆☆(5点満点)

 

第3話『分身』

あらすじ

自分と同じ姿をした人物から襲われて事故を起こしたという青年から事情聴取するモルダーとスカリー。

その後、青年は死亡。

他にも似たような事件が多発しているらしい。

モルダーは、解離性同一障害を患う女性とその双子の兄が持つ力を疑う。

 

感想

今度こそオカルト回。

ドッペルゲンガー」という一つの超常現象ではなく、

 

①テレパシーで会話できる双子がいる

②その双子が行うハングマン(単語当てゲーム)で名前を当てられるとドッペルゲンガーが現れる

ドッペルゲンガーに襲われると命を落とす

 

というちょっとややこしい現象が少しずつ紐解かれていくのがいかにもX-ファイルらしい。

目に見える世界の裏側に見知らぬ法則性があるって感じで、こういうの結構好みです。

今のところずっとイチャイチャしてるモルダーとスカリーがこの話では特にラブラブです。

スカリーが自分の年齢のことを気にしているのも新鮮。

むしろ前シーズンより若返ってる気がしますけどね。

 

評価:☆☆☆☆(5点満点)

 

第4話『失われた記憶』

あらすじ

モルダーとスカリーの元へ、思い出と事実の食い違いは記憶を操作されたからだと語る男・レジーが現れる。

しかも彼は、かつてX-ファイル課の一員だったという。

 

感想

「あれ、あのエピソードってあのドラマじゃなかったっけ?」「あのお菓子ってこんな名前だったっけ?」みたいな日常的に起こる記憶違いを陰謀として捉えた、非常に面白い切り口の傑作。

合成加工で、レジーがいた場合のOPや過去のエピソードが挿入されたりして、ギャグ要素満載。

ジーが語るコメディタッチな過去の中で、ハンドルを小刻みに切るスカリーや子供のように泣き叫ぶモルダーなど、ざっぱな演技を見られるのも楽しい。

結局、レジーは精神病院の患者だったというオチですが、彼の言葉が真実だったかもしれないという伏線がところどころに散りばめられていたりして、奥が深い作品です。

 

評価:☆☆☆☆☆(5点満点)

 

第5話『グーリー』

あらすじ

二人の少女が切り付け合い、怪我を負う事件が発生。

二人は都市伝説サイトで紹介されているグーリーという怪物に襲われたという。

現場の写真を目にしたスカリーは、それがかつて夢で見た光景と同じであることに気づく。

 

感想

モンスター系のお話かと思いきや、幻影を見せることができる超能力者の話で、しかもその超能力者はスカリーとモルダーの子供・ウィリアムという、展開が目まぐるしい回。

グーリーはウィリアムが少女たちに見せた幻影で、彼に悪気はなかったらしい。

モルダーとスカリーが政府の追手からウィリアムを守り抜いた数日後、彼が別人の姿を用いてスカリーに会いに来るというラストが爽やかで感動的。

 

評価:☆☆☆☆(5点満点)

 

後半へ続く